普通の学部の指定校とは違う?|医学部の指定校推薦について
- 2018.01.16
- その他の推薦入試について
医学部の指定校推薦の概要
その地域在住者だけが出願できるのが地域枠推薦だが、それと同じように、特定の学校出身者のみ出願できるのが指定校推薦だ。
特定の学校が優遇されるため、条件を満たすのが非常に難しい推薦方法となっている。
更に学校内で選抜されることから、出願可能な人は限られてくるだろう。
その反面、指定校推薦は落ちること自体が珍しいと言われている。
確かに普通の大学なら落ちるのは極々わずかだが、医学部の場合は真逆だ。
むしろ他の推薦方法よりも注意したほうが良いだろう。
当サイトでは、医学部の一般推薦についても紹介していますので、興味がある方はこちらの記事もぜひご覧ください
医学部の指定校は普通に落ちる
上でも少し触れたが、医学部の指定校推薦は落ちることが珍しくない。
他の学部だとほぼ100%合格となるが、医学部はその常識が通用しないので注意してほしい。
つまり一般的な推薦と何ら変わりがないのだ。
ちなみに合格率は大学によって異なる。
例えば北里大学のように合格率が70%を超えるところもあれば、逆に聖マリアンナ医科大学など50%を下回っている大学もある。
大きな違いがあるが、優秀な生徒を優先しているか、厳密に審査しているからだろう。
一方で、付属高校の指定校推薦であればほぼ合格する。
当然ながら落ちる可能性も否定できないが、合格率は高くなっている。
しかし、学年トップクラスの学力が必要になるので、狭き門であることに変わりはない。
現役生しか受験ができない
特に気を付けておきたいのは出願条件だ。
指定校推薦は特定の高校の生徒であることはもちろん、基本的に現役生しか出願することができない。
これが一番ネックとなる部分だろう。
たとえ指定校を卒業したとしても、現在は会社で働いている人や浪人生は対象外となる。
つまり卒業した時点で受験資格を失ってしまうのだ。
現役生以外の人は、一般推薦を狙って頑張ったほうが良いだろう。
そもそも資格を満たせないため、指定校推薦は候補に入ることはなくなる。
逆に現役生の人なら指定校推薦も候補に入ってくる。
だが、他の学部とは違って落ちる可能性があるし、導入している大学も非常に少ない(これは後述する)。
そのため、現役生であっても出願できるケースは限られてくるだろう。
学校によっては指定校が存在しない場合もある
大学の各学部は、それぞれが独自基準で指定校を認定しており、その学校の生徒の推薦を受け付けている。
一般推薦より定員は少ないものの、運良く選ばれたら落ちる可能性は非常に低い。
しかし医学部の場合、落ちることが珍しくないばかりか、指定校推薦を利用できる学校自体がほとんど無いのだ。
例えば聖マリアンナ医科大学は指定校推薦を行っているが、附属学校以外は指定校に入っていない。
少なくとも付属学校の生徒でなければ受験資格を満たせないのだ。
これは聖マリアンナ医科大学に限った話ではなく、他の大学も同様の措置を取っている。
北里大学だけは附属学校以外の生徒も受け入れている。
ただし、全ての高校が対象ではなく、北里大学が指定する高校のみだ。
指定校には案内が送付されるので、北里大学志望なら自分の高校が対象か確認してみるのも良い。
私大の医学部で指定校推薦を行なっている学校
指定校推薦を実施している私立の医学部はごく僅かしかない。
下記で挙げる5校のみだ。
- 聖マリアンナ医科大学
- 金沢医科大学
- 北里大学
- 獨協医科大学
- 東京女子医科大学
私立の医学部は全国に多数あるが、その中の一部だけが行っている状況である。
上で書いた通り、北里大学以外は付属高校の生徒しか受験不可能だ。
もしこれらの大学を狙う場合、一般推薦などを利用したほうが良いかもしれない。
なお、2018年度までは埼玉医科大学も指定校推薦を行っていた。
しかし2019年度には廃止されている。
今後は他の大学でも見直しか廃止される可能性も否定はできない。
今後の動向には気を付けたほうが良いだろう。
上では私立の医学部のみ挙げたが、実は国立の医学部には指定校推薦が存在しない。
付属高校を持つ国立大学は多いものの、制度が存在しないのは意外に感じるだろう。
もし国立を志望する人は一般推薦やAO、一般入試などを利用しよう
指定校推薦を勝ち取るためにやっておくべきこと
このように、医学部の指定校推薦は実施している大学が限られている。
しかし、それでも狙っていくのであれば、以下で挙げることを意識してみよう。
- 優秀な成績を残す
- 先生に媚を売る
医学部の指定校推薦は落ちる可能性があるし、優秀な生徒しか合格を勝ち取れない。
更に先生の心象も推薦に影響してくる。
指定校推薦狙いなら、これら2つは必須と考えておくべきだ。
定期や模試で優秀な成績を残し続ける
医学部へ合格するには相応の学力が求められるが、指定校推薦を受けるためには、更に高い学力が求められる。
定期テストはもちろん、各種模試でも全国トップの成績を残すことが必要なのだ。
一般入試や一般推薦よりも優秀な成績が欠かせないため、日頃からしっかり勉強しておくべきだろう。
しかし、学内で運良く推薦枠に選ばれたとしても、テストで平均点が落ちてしまったり、万が一赤点でも取ってしまったら大変だ。
学校側は優秀な生徒を選んでいるので、学力の低下が選考に大きな影響を及ぼすリスクがある。
そのため、指定校推薦を受けられたからといって気を抜かないでほしい。
少なくとも受験が終わるまではトップクラスの成績を維持し続けるべきだ。
先生に媚を売っておく
言い方は悪いが、先生に媚を売ることも必要になってくる。
医学部の一般推薦は学力が明暗を分けてくるが、指定校推薦に限っては、学力だけで推薦を勝ち取れるほど優しくはない。
先生の心象や普段からの生活態度が大きく関わってくるのだ。
本気で指定校推薦を狙うなら、日頃から先生と仲良くする(媚を売る)ことは必須といえるだろう。
ただし、やりすぎないように注意はしてほしい。
あまりに露骨な媚の売り方だと、他の生徒や友達がドン引きしてしまうだろう。
もしかしたら人間関係に影響が出てくるかもしれない。
先生からは高い評価を得ても、他の学生には嫌われクラスで孤立…最悪そんな状況も考えられる。
いずれにせよ、露骨に媚びを売るのは避けたほうが良い。
指定校推薦にこだわりたいなら医学部がある大学の付属高校に行くのがおすすめ
以上のように、指定校推薦は何かと制約の多い推薦方法だ。
それでもこだわるのであれば、医学部がある大学の付属高校へ入学・転入を考えるべきだろう。
逆にそれくらいやらないと、指定校推薦を勝ち取るのは難しい。
しかし、指定校推薦に当てる労力と時間があれば、医学部合格に必要な学力を身に付けられる。
そこまでやるなら真面目に勉強して一般推薦やAO入試を狙うか、一般入試で頑張ったほうが良いだろう。
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