推薦とはちょっと違う?|医学部のAO入試について
- 2018.03.17
- AO入試について
医学部のAO入試の概要
医学部の入試方法は様々だが、AO(アドミッションオフィス)入試は少し特殊な部類といってもおかしくないだろう。
初めて耳にする人もいるかと思うが、医学部を受験するなら避けて通れない入試方法だ。
ちなみにAO入試は1990年代より日本で始まった。
まず慶應義塾大学が導入し、その後徐々に実施する大学も増えていったが、選考方法など独特のルールも多い。
大学によって対応が異なるなどの欠点もあるが、倍率が低いなどの利点がある。
詳しくは以下で解説していくが、「こんな入試方法もあるのか」と心に留めておいてほしい。
AO入試とは?
まずAO入試だが、一般推薦とは一味違った入試方法だ。
医学部の一般推薦の場合、試験を受験しないといけないし、面接や小論文も避けては通れない。
いずれも対策が欠かせないため、時間を書けて準備する必要がある。
推薦を得られるかどうかも問題だが、試験や面接などの総合評価で合否が決定される。
一方のAO入試は、主に人物評価によって合否判定が行われる。
試験を課す大学は沢山あるが、試験科目自体が非常に少なく、一般推薦よりも負担を軽減できるのが強みだ。
ただし、大学ごとに独自の基準が設けられており、不合格になるケースも珍しくはない。
AO入試を希望する場合は不合格になる可能性も含め、慎重に検討するべきだろう。
学力以上に受験生の経歴やスキルが要求される
一般推薦は学力が全てと言ってもおかしくはないが、AO入試はさほど重要視されていない。
その分自分の人間性や経歴、各種スキルなどが求められてくるのだ。
この点が一般推薦との大きな違いではあるが、問題はどのような経歴・スキルが重要かだろう。
一概には言えないが、例えば資格なら英検の1級や準1級、高スコアのTOEIC(750~800は欲しい)のように、通常よりも優れたスキルが好ましい。
他にも数学や化学オリンピックなどで良い成績を残したり、少し珍しいボランティア活動のような経歴も最適だ。
逆にこうしたスキル・経歴を持っていないと、AO入試で合格を勝ち取るのは難しいレベルといえる。
一般入試や推薦の受験生とは違う、自分だけのオンリーワンが必須となるだろう。
試験の負担が少なくて済む
一般的な入試は、主にセンター試験と二次試験、そして小論文の提出や面接といった流れになる。
特に学科試験の重要性が高く、自分の学力が合否を分けるといっても過言ではないだろう。
そのため、医学部の入試は少しでも多く勉強した人ほど合格が近くなる。
逆にAO入試は先述の通りだ。
試験の負担は少なめで、基本的に面接の重要性が高くなっている。
国立大学の場合はセンター試験と小論文で済むことが多いし、平均得点が多少低くても合格する場合がある。
もちろん無対策とはいかないが、みっちり叩き込まなくても合格できる可能性があるのだ。
また、私立大学に至っては2~3科目(英語や数学と理科系科目)と面接だけ、ということもある。
つまり対策すべき科目は多くて3科目程度なのだ。
その分時間に余裕ができるため、四六時中勉強するのが苦手な人に最適だろう。
選考方法が大学によって異なるので失敗した時のリスクが大きい
ただし、AO入試も良いことばかりではない。
選考方法に統一性がなく、各大学によるところが大きいのだ。
これが一般入試や推薦各種と違っている点である。
もしAO入試を選ぶ人は、各大学の選考方法を調べたほうが良いだろう。
例えば弘前大学の場合、過去には二次選抜でワークショップを実施したことがあった。
他にも独協医科大は英文の長文問題から客観的・論理的能力を評価するなど、各大学が独自の選考方法を取り入れている。
いずれにせよ、これまでの経歴などが重視されるのに加え、こうした独特の選考方法をクリアしなくてはいけない。
かなり風変わりな選考を行う大学もあるため、一般推薦よりも失敗時のリスクは大きいと考えておくべきだ。
AO入試を行なっている医学部
どの入試方法を選ぶかは人それぞれだが、AO入試を行っている大学は少なめだ。
出願条件も大学によるので、事前に確認することをおすすめしたい。
もしこだわりがないなら、一般推薦か一般入試を選んだほうが良いかもしれない。
国立大の医学部でAO入試を行なっている学校
国立の医学部でAO入試を採用しているところは以下の11校だ。
一般推薦は18校あるが、それよりも更に少ないので注意が必要だ。
全体としては東北・北海道と西日本に限られる。
- 北海道大学
- 旭川医科大学
- 東北大学
- 弘前大学
- 京都大学
- 神戸大学
- 高知大学
- 岡山大学
- 広島大学
- 九州大学
- 大分大学
残念ながら関東や東海、甲信越にはAO入試を行っている国立大学が無い。
素直に他の推薦入試か一般入試を選ぼう。
私大の医学部でAO入試を行なっている学校
一方の私立医学部だが、国立よりも更に選択肢が少なく、実施しているのは以下の6校のみだ。
私立を希望する人も多いと思うが、AO入試を狙うなら注意してほしい。
- 金沢医科大学
- 順天堂大学
- 東海大学
- 藤田医科大学
- 獨協医科大学
- 杏林大学
上記以外の私立は他の推薦方法を導入している。
全国に私立の医学部が数十あることを考えると、少しさみしい印象を受けるのではないだろうか。
しかし、逆にこれらの私立を受験予定の人は、AO入試を狙ってみるのも手だろう。
AO入試は一般推薦以上に合格するのは難しいので受かったらラッキーくらいに捉えておく!
このように、AO入試を行っている大学は数が限られている、更に募集人数が少ないうえ、選考方法が各大学ごとによるなど、学力一辺倒では勝負できないのが実情だ。
そのため、一般推薦よりも難易度は高い方法といえるだろう。
もちろん挑戦する価値は十分あるが、他人にはない経歴やスキルを持つか、自信が無ければ避けたほうが良い。
どちらにせよ、一般推薦と比べて合格すること自体が難しい。
学力はさほど求められないが、AO入試を当てにしてしまうのは危険だ。
受かったらラッキー程度に考えておくべきだろう。
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