Column

15.表現


基本何も難しいことはありません。
普段、喋るときとおなじでよいのです。

大声?ひそひそ、
早口?ゆっくり、
高い声?低い声
流暢?たどたどしく
抑揚つけたり?単調
すぐ喋る?間を空けてから喋る
丁寧?省略

これでかなりいろいろな表情、感情が出ますよね。
喜怒哀楽、重さ、軽さ、恐怖、軽薄、嫌悪・・・

これらをあえて分析しますと4つの基本があります。
まず音の三要素としての
「大きさ」、
「高さ」、
「音色」
もうひとつ、もっと大切なのは
「時間」
いつ鳴り出すかが大変重要です。
人に何か伝えるとき、どのタイミングで喋りだすのが良いかということです。
「ま」のとりようによってウケるかウケないか変わりますよね、
特にお笑いではね。
それから、どれだけ鳴り続けるかです。
特に打楽器においてはです。

ひとつづつ説明していきましょう。

「大きさ」

実際の現実問題としての強弱。

最大=楽器が破壊される寸前。
最小=音が聞こえなくなる寸前。
が身をもってわかっていれば良いと思います。
爆音の追求は無意味です(笑)。

お喋りの場合
最大=緊急事態、警報、激怒、絶叫
最小=ひそひそ話
となります。

常に出したい音を歌いましょう、
 つまり、イメージする習慣をつけましょう。
息継ぎ(呼吸法)も身についてしまいます。
簡単です。

ただ考えて頂きたいこともあります。

ラジカセ音量・最小のデスメタル。
と、
ラジカセ音量最大のハープの演奏。

500メートル離れて聴くフリージャズ。

頭を蓋の中につっこんで聴くピアノ曲。

どちらがうるさい?

共演者によって、最大音量の設定を変えることもあります。
「生楽器と共演」「モニター無し」「狭い会場」「よく響く会場(リバーブ多い)」
私の場合、生ピアノと共演する場合はマックスが半分ぐらいの音量設定です。

ダイナミクスがつくのがあんまり好きでない方もいます。(そういう人はやめて欲しい・・・)

電気的処理をされてしまう場合もあります。
コンプレッサー、リミッターと言われるエフェクターたちですが。
ある意味ダイナミクスの幅を狭くする装置です。
結果、安定感がでます。
つまり上手に聴こえます。

聴感上の特性

太鼓類の生の楽器としての特性。

ヒットする強さ、スピードと聴感上の強弱とはちょっと一致しない。
中間から上は強弱がついたように聴こえない。
強打と最強打はほとんど同じ音量にしか聴こえない。

前のめりの楽器は大きめに聞こえます。
レイドバックしている楽器は小さめに聴こえます。

「高さ」、ピッチ

どの楽器を選ぶか。
チューニングをどうするか。

叩く場所によって変化の大きい楽器は、
ピッチが変化しているといえることもあり。

一般的には、
低い=重い
高い=軽い

男性?女性
大人?子供

のようなもの。

「音色」

明るい=幸せ、軽い
暗い=悲しみ、重い

太い=重い
細い=軽い

だみ声=八百屋のオヤジ、浪曲師、労働者、アヒル、カラス
澄んだ声=妖精とか、

どの部分をどのようにするのか?
真ん中、縁のあたり、フープ、シェル、・・・を
叩く、こする、押さえつける、・・・

余談ですが・・・
私、小さいころからオーボエの音色は管楽器の中で一番明るい音色だと思ってました。
それに比べフルートの音色の暗いこと暗いこと・・・。
今も感覚はたいして変わりませんが、それは悲しい音色だという人の気持ちもわかります・・・

「時間」

言葉は悪いですが、
「もたらせる」
「走らせる」
ことが自由になることをいいます。
言い換えれば時間軸のコントロールです。

先ほどいったように、
前のめりの楽器は
「軽く」、
「目立つ」、
「はっきり」、
「鋭く」、
「耳障り(失礼な言い方ですが)」に聞こえます。

レイドバックしている楽器は
「重く」、
「目立たない」、
「ある意味ぼやけて」、
「やわらかく」、
「ベールに包まれた感じ」
「心地よく」聞こえます

これは、丁寧に喋ると重い内容に聞こえるのと同じことです。

爆音なのにうるさく聴こえない人と、
たいして太鼓が鳴ってもいないのにうるさく聴こえる人、
いますよね。

あるフレーズを
「もっと軽くやってくれ」とか「もっと重く」とか
注文が来れば、これをするだけで解決です。

どうするか?って
「歌え!」ってさんざんいってます。
「ラーラララー」 軽快な感じ
「タータタター」 しっかりしてます
「ザーザザザー」 重さが出ました
「ッパーッパッパッパー」 地方なまりのような・・・

これだと、基本となるパルス(たとえば4分音符とか)をキープしながら出来ますよね。
鳴らす音のタイミングがパルスとずれていても平気ですよね。

ヴォーカリストの歌うタイミングは、
たとえば〇分音符とかにはまっているようなものではありませんよね。
とてつもなく自由あタイミングエです。
でも感覚的に〇分音符ってわかりますよね。
ほかの楽器でも大して変わらないといえば変わらないし、
同じように表現しているのが自然で生きた音楽ではないでしょうか。

当てはめる文字は結局なんでも良いのですが。
この場合ですと、文字を入れ替えれば一音一音のニュアンスだって変えられます。
「ドゥードゥルドゥー」
「ル」の部分だけ軽いニュアンスがつきました。

ちょっと待ってください、
これって音量、音の高さ、音色も歌ってしまってますよね。
だから歌うのは良いのです。
これらと出音がリアルタイムで連動すればよいのです。
ですから練習の時、たとえ基本練習でも歌いながらするように。
といっているのです。

前にも触れましたが、「役者」としての考え方が重要です。

物語、お話などの表現をするわけですが、
とにかくすべてが「架空、仮想、フィクション、ウソ(良い意味で・・・)」なわけです。

なにが鍵かというと、
「リアリティー」ということになります。
表現が確立された状態です。
現実と見境はつきません。
たとえが悪いですが、詐欺師はそれが出来ます。
「くさい演技」「ウソ泣き」・・・これはうそがばれてますよね。

「悲しい」という表現にしたっていろいろなやり方、役割があります。
戦争で皆殺しにされてしまう家族の歌があります。
ドラムの役目はだいたい「兵隊たち」の表現です。(そうでない部分ももちろんあります。)
歌い手のように悲しんだり、いっしょに泣いてしまうのは、雰囲気台無しです。
冷酷冷徹な兵士を表現しなければなりません。
「普段の何気ない日常」どこかに表現されているから「悲しさ」の表現が引き立つ例もあります。
「明るい」とは「ほんとに暗い」と紙一重。
黒人奴隷が南米に移住させられ。
楽器を禁止され、人としての尊厳も奪われ、いつ殺されるかもわからない毎日が続いたら。
救いの音楽よりも、とにかく明るい音楽をやるはずです。
涙も枯れるほどの悲しみを表現できる役者はどれぐらいいるだろうか・・・

結局、
どんな「うれしいこと」があった日でも、
どんな「悲しいこと」があった日でも、
その曲の時間になったらその曲の喜怒哀楽か無機質か何かを表現するわけです。
一種の伝達行為で決して「自分や他人にうそをついている」類のものではないのです。

何も本当に役者になるわけでないので、
大変に思うことは全くありません。
普段どおり喋っているというのは、自分を一番表現しています、
「自分を隠している」人は「自分を隠している」ことを表現しているので、
残念ながらすぐにばれます。
「一生懸命な」人は「一生懸命な」ことを表現しているので、
「一生懸命な」ことは大変よく伝わります。
残念ながら音、音楽では何も伝わってません。

どうしましょう、
考えましょう。
考えることについて考えましょう。
考えることについて考えるのは有意義な事象であるか検証した後に・・・

寝よう。

普段どおりのニュートラル、リラックスな状態を作るために、
睡眠、呼吸法、大事です。
いわゆる脳の脱力です(残念ながら、薬では不可能です・・・笑)。
本当はこちらが先行するべきでしょう。
これが出来ていれば、耳、手、足は勝手に脱力するはずで、
〇〇奏法取得みたいな行為は必要なくなる。
そうはいかない現実のほうが多いこと多いこと・・・

では私も皆さんも一生懸命頑張って(笑)。

(笑)
(笑)
(笑)
(笑)
(笑)

おわり

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