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11.モーラー奏法は独学でできるか


モーラー奏法は独学でできるか

私も独学です。

ただしモーラーがやりたくなってそうなったわけではなく。

「アフリカの人々を観察」した結果で、

気がついたらそういう動き方になっていた、

というのが実のところです。

昔は1ステージやったら腕がパンパンに膨れ上がっていました。

今はもっと激しいことがあっても、腕の筋肉はゆるいままでいられます。

残念ながらこの奏法は個人個人が「これだったのか・・・」

という感じで見つけるものです。

人それぞれ微妙に違う動き方にもなります。

よって正確に教えることは不可能です。

もう一点、

モーラーが上手な人は、モーラーに見えません。

最低限の動きで十分だから、

しもすべての動作は瞬間的です。

腕も手も5ミリぐらい動けばフォルテになるでしょう。

手品師的速さなので、実際何が起こっているかがよく見えない。

(やる気の無い人に見えます、一番機能的、合理的なのに)

大道芸の人は実は手から指先のみでもモーラーが出来るので、

他の部位はだいたい「見せる」ために使っています。

めちゃくちゃな動きなのに、音量音色が安定しているのはそういうことです。

音楽をコケにしているようにも見えますが、実は違っていたりします。

ここでやろうとしているところのモーラーは、

いわゆる自然体奏法で、なんにでも応用のきくもの。

ドラムコーに特化しているものではありません。

ご心配なく。

この「もーらー」という動きは、

日常生活に普通に使っているだけのもので、

実はほとんどの人はできています。

なぜか・・・

ドラムに向かったとたんにやらなくなってしまうのです。

「しっかりやらないと。」

「コントロールしないと。」

「気合を入れないと」

などのある意味音楽的には無駄といえる意識がこうさせているのだと思います。

さてさて

何か特殊なもの特別なものはいりません。

「気構え」「心して望む」「真剣に」・・・厳禁です(笑)。

なんとなくやってみるぐらいのほうがよい。

キーワードが二つあります。

よく観察する。

まねをしない。

以上二点です。

まず

「観察」

身近な「自然体」を観察することです。

旗振り

「天皇陛下万歳」や「国賓のパレード」ため国旗を振り続ける人がいますよね。

回転の動きです。

歯磨き

細かい連打が苦手な人も細かい動きはやってます。

腕全体も実は微妙に連動していますし。

手指だけでモーラーの動きが可能になるかもしれません。

マラソン、ジョギング、散歩などの腕振り

何時間も腕を振っているのに腕が疲れたという人はほとんどいません。

常に親指が上に向いてはいないですよね。

平泳ぎ

もっとも疲労しにくい腕の動かし方です。

腕の付け根から先行してうごいていますよ。

肩→ひじ→手首→指→指先という順に動きがつたわってますよ。

補足ですが、

私のブラシのスイープは外回り(平泳ぎ周り)です。

安定したスピードでまわしやすいからです。

内回りは一箇所早くなりやすいところがあります。

こちらのほうが安定したスイープ音が出ます。

大工のかなづち

筋肉痛にならないのは鍛えてあるから?

違います。

フィンガースナップ

腕、ひじはぶらぶら、ゆるゆるのほうが良い音が鳴ります。

掃除のおばちゃん

ほうき、はたきの使い方は大変良い例。

よってきたハエを追い払うオッサン。

実はそこらじゅうで、モーラーと同じ動作が行われている。

しかもほとんどがドラマー以外・・・

生クリーム、メレンゲをホイップ。

大根おろしとか、

この辺は専門職でないと脱力したままでは出来ないかも。

1歳児から3歳児ぐらいの子供にスティックや菜箸を持たせて見る。

身近に子供がいたらぜひやってください、

誘拐犯に間違われぬよう。

これは見事です。

だいたいワキがあいています。

何の先入観もないので勝手に自然体になってしまう良い例です。

ムチ(これ人間の動作ではありませんが例えのひとつ)

基本背骨が「柄」の部分、それ以外が「ひも」になります。

動きは、中心から末端に徐々に伝わります。

ほんとにたくさんありますよね。

同じ動作を延々と繰り返しているのにまったく疲れ知らずの状態をさがす。

筋肉使用率が低く、乳酸が溜まりにくいわけです。

もし疲れを感じるようなものであれば除外です。

人間の関節には「ちょうつがい」の動きをするものがほとんどありません。

これが「回転」がモーラーのひけつと呼ばれているわけですが、

観察時にご注意を、

2次元的回転ではありません。

紙の上に描いたような「丸」や「八の字」などではないということです。

三次元的な動きです。

まだあったらぜひ私にも教えてください、よろしくお願いします。

次!

まねをしない

ここまで観察できたら、出来そうですよね?

その動きのまねをするなということです。

動きをなぞったらその動きをわざと作っていることになります。

自然体のまねは自然体になりません。

実は「モーラーはこういう動きです。」といって、

たとえばゆっくりとかで紹介することがありますが。

そのときは全くモーラーでないです。

動きをなぞるということは、筋肉で再現するのと同じことです。

脱力でもなく、自然体でもないですよね。

しかも格闘技的には「筋肉では遅すぎる。」

何もかも意識しまくっています。

ですから、こんな方も実はいます。

モーラーの動きをよく研究され、

合理的なモーラーの動きのようにみえる先生ですが、

実際は・・・

てなこともあります。

他のテーマでもお話しましたが、

意識するというのは、余計な考えを起こすことで、音楽から離れてしまうこと。

音楽から置いてきぼりになっているのと同じです。

こんな考え順にしてませんか?

音をイメージする→動作を意識→動作→音が出る

これを

音をイメージ→もう音は出ている

にします。

これにならないとモーラーをする意味は全くないです。

(逆に筋肉を使ってこれが出来るのならモーラーやらないでください。)

さあどうするか・・・

上記の動作をとにかく試すこと。

動作している意識が全く無いならOK、

そして、スティックを持ったまま同じことを試す。

正確には手か指のどこかにスティックを乗せている状態がよい。

スティックが手にあることの意識があってはけない。

そしてまた上記の動作をかたっぱしに試すこと。

ドラムに向かう

とにかく「音」「サウンド」「グルーブ」「まわりの状況」

イメージすること、

つまりそれは歌うこと、(呼吸法のところでお話しました)
もう音は出ました。

最終的にすべての動きが他人事のようになっていればOK。

そうでない場合はすぐにドラムから離れ、

散歩でもしましょう。

実際の現場ではありとあらゆる情報のリアルタイムでのやりとりです。

こんな話をするとCPUが早いほうが良いみたいですが、

もともと人はCPUなど問題にならないほどの情報をこなせます。

しかも適当な気分のときのほうが有利のようです。

参考までにもうひとつ方法があります。

毎日8時間づつぐらい練習できる方がいれば、

ひたすらやりつづけてみてください。

体は脱力せざるおえない状態になります。

これを続けてどこにも筋肉痛が発生しないようになれば完璧です。

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