Column

4.Ride Cymbals


シンバルについてのお話

ハイハット、ライド、クラッシュ、チャイナ、スプラッシュ,ベル、ゴング、おりん、鐘
いろいろなグループに分けられていて、
音楽での用途(出番の話ね)もハイハットとライドが多く、
チャイナ、スプラッシュは少ないのが一般的でしょうか。
しかし、どの楽器もシンバルはシンバルです。

とりあえず音楽的役割や機能の観点から分類して定義しましょう。
(話の便宜上分類しているだけです、中間的な使い方もありです。)

1.ライド
グルーブを作る、リズムを刻む、なんだか鳴り続ける事、余韻でサウンドを包み込む、
案内係、照明さんの演出的役割。

2.クラッシュ
Aセクション、Bセクション、サビに入ったときの合図的ないわゆる場面転換、仕切りなおし、脅かし、
フィルインなどなど、ここぞというときにしか登場しない。
司会者的役割。

3.ハイハット
硬質な素材でミュートしたりオープンしたり。
こすったり止めたりもありですね?。

CD、ラジオなどでは実際の演奏状況は見えません。
要は、その分類したもののように聞こえたものがそれ。
いやそんなもんです。
そうしてしまいましょう。

たとえばこんな状況があったとしましょう、
あなたがドラマーとしてある演奏会場に行ったらチャイナシンバル一枚しかありません。
「よ?し、任せとけ」と思いますか?
「とほほ・・・」途方に暮れてすごしますか?

というわけで・・・
各ご家庭にシンバル一枚ご用意ください。
ライドでも良いですか?・・・今回の主旨はライドだそうです、普通です。
クラッシュしかない?・・・上記をお読みのとおり、全く問題ありません。
ハットの上だけ?・・・トップとボトムからお選びいただけます。
スプラッシュ?・・・自分の体をスモールライトで小さくしておいてください。
チャイナ?・・・決してふちの反り返ったところを切り取って食べないように。
無い方?・・・鍋の蓋で結構(シンバルを所有している気分が味わえます・・・イマジネーションは無限です、むしろその方がいいかも)。

なんだかわからないその「一枚のシンバル」と「この文章」で試奏なり思想なりしていただければ。

シンバルの特徴、形状

カタログを拝見・・・、
・・・なになに・・・ドライ、ライト、ダーク、ディープ、スイート、ブライト、スペシャル、・・・
なにかビールかチョコレートの売り文句ですか。

厚いのはピッチが高く余韻が長く、薄いシンバルは低く余韻が短いと説明されていますね、、、
しかし、聴こえた感じでは 「逆?」と違和感がある人も多いかと思います。
(音のもっとも低い成分のことを言っています、実際マレットで弱くたたいてみるとわかります。)
これは余韻の音色つまり「うなり」「海外ではwash、simmering、undertone」の違いによるものです。

薄いものは「シャー」とか「コー」とか「ワーン」のような音色の余韻が増えてきます。
しかもアタック音より大きく聞こえます。
シンバルロールの中に粒立ちが聞こえてくる感じです。
結果高音域の成分が目立つので高い音にも聞こえる。

厚いものはその唸りの音色がシンプルでうるさくなく「ウーーーン」ぐらいなので、
ピッチが高いと言われている割にはほぼアタック音だけで、余韻はほとんど聞こえてこないので、
粒立ちだけがピシピシ飛んでくる感じ。
こちらも高音域の成分はあるのですがほとんど目立たないので高い音に聞こえない。

「チンチキチンチキ」「いんちきいんちき」・・・日本ではそのように歌ったりします、
高い音、高音域の音を奏でる
楽器というイメージがあるようです。
海外では「ディンディクディンディク」「タータカタータカ」「ロンロルロンロル」と歌います。
感覚的なことですが、日本人より低域の音も聞き取っているようです。
ちなみに私はバスドラムの仲間のように思っています。

カップ

シンバルはカップとボウという大まかに2つのエリア、2つのピッチを持っています。
ベルが大きくなればボウの面積も減り、中高域成分の多い音になります。
言い換えれば2つのピッチが対等に主張するようになり、派手な音になります。
倍音が増えるといわれているのはこのためです。
(物理の話ですがシンバルの振動に倍音は無くその代わり部分音というのが存在します。)

チャイナシンバルはボウの外周にもう一回反り返っています、
これは三つのエリアをもつということで、音はさらに複雑である意味ノイジーでうるさくなります。

ボウのエリアしか持たないフラットライドはいくつかのピッチが聞き取れるくらいの余韻です。

カップの厚さ

カップの部分だけ厚めに設定されているモデルもよく見かけます、
ボウの音とカップの音の分離が良いようにしているモデルです。
ボウの時と同じ強さでカップを叩くといきなりデカイ音になります。
体の動きと実際の音量は一致しません、耳でよく聴いて判断しましょう。

カップが薄いと「コンコン」「キンキン」しない音になります。
「ベルの音になってないじゃん!」と思う方も多いかと思いますが。
シンバル本体の音とブレンドされているわけです、味の問題でしょうか?
ちょっと離れて聴いている人のほうがベルの音だとわかりやすいです。

ハンマリング

要は金属に歪みを与えているわけで、
太鼓にスナッピー(スネアドラム)、
ギターにディストーション、
刺身にワサビ・・・、
円盤に歪が多ければ多いほど豊かな音、複雑な音になってきます、
少なければピッチ感のあるものになります。
最近、ハンマリング跡の多いモデルは高価(人件費?)で上位クラスです、
しかし多ければ良いというものではありません。

ボウのカーブ、形状

余韻の音色の質が変わります。
カーブがきつくピッチが高いというのは高い、明るい、鋭い、強い、うるさい(失礼)・・・言い換えます・・・「まぶしい光が私たちを包み込む。」のような音色。
平べったく低いというのは、低い、ダーク、安心、やさしい、暗い、淀んでいる、マイクのり悪い、聴こえない・・・「私に身を委ねなさい」のような音色(何じゃそりゃ)。

表面処理

ドライ系シンバルです。
世の中ドライといったらクリーニングですが、
シンバルの世界ではいかに表面を汚すかです。

熱処理、薬品処理などでサビの付加(そういう仕様で販売されている製品もあります)。
地中に埋める、温泉に浸ける、表面をバーナーで焼く(焼きすぎるとすぐに割れます・・・経験者談)、
鉄板焼きのかわりに使う、ガムテープ、フェルトシール、オイル、ワセリン、木工用ボンド
余韻が短くなります、ミュートです。
アコースティックな状況には耳に優しい、人に優しい、環境にやさしい、といろいろな効果ありますが、PAを使用する場合やスタジオでの録音の場合、マイクのりが悪い場合もあります(コツコツ音のみになる、聞こえづらい等)。
ガッドさんがおっしゃっていました。「私は余韻の長さをすべてコントロールできる。」
・・・ほんとですか・・・
スティックとシンバルの接触時間、接触の仕方に変化をつければ可能と思われます。
そういう方には全く必要ありません。

ブリリアント仕様

実は見た目と逆で、ある意味でのキラキラ成分は若干減ることになります。
細かい溝があるほうが繊細な響きを持っています。
(ただしその溝が汚れやサビで埋まってしまうとドライ系になってしまいます。)
その溝がないということなのでストレートである意味パワフルな鳴りです。

シズル

ホワイトノイズ、たとえば波が引いたときの砂地の音、大雨の音、てんぷらの音、「砂の嵐!」
(最近見ないな?)のような余韻を付加します、
が少しシンバルをミュートしていますので、
本来シンバルの持っている余韻はあまり聞こえなくなります。
私は手回しドリルを使って何回か取り付けましたが、
取り付け位置を探すのが微妙なのと怪我のリスクも高くなるので、
取り付けは専門家に任せるほうがよさそうです。

シンバル選び

上記のことを踏まえていただければ、
アタックの音色、余韻の音色、カップの音色の好みをまず見つけることです。
そして音色チェック、試奏、するには誰かに叩いてもらって聴いてみるほうが良かったりします。
実際の音色というのは、2?4メートル離れて聴いてみないとわからないことが多いです。
特に薄めものは演奏者のそばでは若干暴れ気味でも、
離れて聴くとチップ音も良く聞こえ落ち着いた音をしていることも多いです。

スティック

何の形状が適しているか知りません、そんなのは人それぞれの好みです。
とは言いつつ分析的なことを言っておきます。
スティック先の形状、大きさ、あたる面積によって変わります。
丸型は点であたるためチップ音(ピング音)の粒立ちが良い。
涙型は縦線であたるため、粒立ちはあまりはっきりしなくなり、うなりが多く出ます。
繊細なタイプのように言われていますが、実際は丸型よりパワフルです。
このタイプは角度をつけたとき点で当てられるのでそのとき丸型の特性が出ます。
樽型、ダイヤモンド型は横線であたる。特性は涙型と同じですが響き方が若干変わります。

重量によっても変わります(ここではスティックのみならず、指、手、腕の重さも含んで考えます)。
慣性の法則ではより重いほど押し付ける力(エネルギー)が強くなります、
手を握り締めてしまうのも同じことです(スティックの重量を上げていることになります)、
シンバルとの接触時間が増え粒立ちもなくなり、その結果は唸りの音色が増えることになります。
手の重さ、腕の重さも乗ってくるともう大変です、シンバルロールになっていまいます。
あ、鳴るを通り越してシンバル割ってしまいましたか?

薄手のライドの暴れ具合が手におえない人は、このあたりに原因があるかもしれません。
(まあその手の音が嫌いならしょうがないですが・・・)

奏法

奏法について特に言及することはないです。
表現するにはなんでもありです。

1.どんなもので「叩く」、「ころがす」、「さわる」、「こする」、「つつく」、「押しし込む」、「つかむ」、・・・
2.どのように「叩く」、「ころがす」、「さわる」、「こする」、「つつく」、「押しし込む」、「つかむ」、・・・
3.いつ「叩く」、「ころがす」、「さわる」、「こする」、「つつく」、「押しし込む」、「つかむ」、・・・
数種類の奏法だけではすまされませんね。

感覚的にやるのが一番です。
「音を出さない」ってのもありですね?。
その音は表現のため?「喜び」「悲しみ」「無表情」・・・
表現は何のため?
曲の持つイメージもありますが、一曲の中でのストーリーも大事にしましょう。
シンバルの使い分けにつながります。

ある仕事で「静寂の音を出してくれ。」というのがありました。
たしかブラシの柄の部分でどこかをこすったと記憶していますが・・・
あんなので良かったのだろうか・・・

3.いつと書いたのはもちろん4分音符のどこにはまるかという意味合いもありますが、
「前のめり」、「ジャスト」、「レイドバック」「なまり」も含まれます。
要はこれらが音楽を一番表情豊かにしている要素なのです。
レイドバックしたライドは単体で聴くシンバルの音より聴感上低く重く聴こえます。
ここがちょっと大変ですが、何かが「レイドバックしている」ということは、
「レイドバックしていないもの」もどこかにあるということです。
どちらの表現もできていないと成立しないことになります。
「レイドバックしていないもの」担当はバスドラム、フットハイハット(要は下半身)が最適です。
「手足ずれたままの進行」ですが、実に人間味(時に色気)があって心地ものです。

私の場合は「ゆるいわしづかみ」状態でほとんどの動作をしています、
「叩く」、「ころがす」、「さわる」、「こする」、「つつく」、「押しし込む」、「つかむ」、・・・
指、手、腕などの動きはほとんど変えてません。

チップ音、コツコツ音を際立たせる、粒立ちを良くする

シンバルの特性よりもスティックの接触の仕方のほうが重要であるといえます。
バスケのドリブル、テニスの壁撃ちのように放り投げ続ける動作が理想かもしれません。
この場合スティックも木琴の一鍵盤のように鳴るのでさらに粒立ちが良くなります。
シンバルをヒットする瞬間は、スティックが手から離れている状態が良いです。
「脱力」ってよく聞きますよね、「チップ音を際立たせる」には効果ありです。
耳が脱力していないとすべての脱力は無意味ですよ?

私の場合ほとんど「ゆるいわしづかみ」で行っているのでこのような感じです。

手のひらの中に空洞をつくり、そこをスティック音で共鳴させる技もあります。

最後に(最後でもないか・・・)一番大事なことです。
シンバルはある程度以上のエネルギー(力、スピード)で叩かれた場合、
必ずうなり音クラッシュ音になります。
ライド的なリズム、グルーブ、レガートなどはそれ以下のエネルギーで叩かないとだめです。
サウンドのためには「適当に加減して」、「やさしく」、「力まない」、のように叩くべきです。

楽器の特性を理解してあげてください。
そうしたら必ずいい音が出るはず、破壊でも、癒しでも、表現は無限です。
必ず人の心にも伝わります。

取扱説明書 注意事項

赤くなるまで火にかけると割れやすくなります。
幼児の手の届かないところに・・・

だんだん支離滅裂になってきた。
あーそうそうライドシンバルのご使用方法について

自由です、いろいろお試しください、としか言えないのだが・・・

これでは「〇ラム〇ガジン」らしい記事になりませんか・・・
品位を損なっていますか?由々しき問題?遺憾?

とりあえずハイハットで済ましているものをライドに持ってってみる、
面倒な人はハイハットを撤去、その位置にライドを置く(どっちが面倒だ)。

さて、
一般的演奏論・その1

「叩き分け」についての一般的なお話です(多彩な表現を求める方は読んではいけません・・・)。
どっしり感は減少、ちょっとかわいくなったり、美しくなったり。
これが特性というやつです、そしてこれを最大限利用するわけです。
雰囲気、環境、空間、色づけ(カラーリング)、・・・的なイメージ作りが主な役割。
実際現場では、「ここからは広がる感じでおねがいします。」「そこはスペーシー(空間的)で・・・」「森の中」「海の中」「大地(太鼓じゃないのか?」「工事現場のように」などのやり取りが行われています。
いちおう考えの手順を示します(ライドなのでリズムを刻むことが前提です)。

1.リラックス (平常心平常心!)
2.イメージ作り(曲調、歌詞、状況、環境、情勢、温度、湿度、花粉情報・・・何が言いたいか、何を伝えたいか・・・)
3.どこで叩くか(チップ、ショルダー、エンド、・・・)。
4.どこを叩く(穴?カップ?ボウ?エッジ?空振り)。
5.どのように叩く(弾むよう、押し込むよう、なでるよう、こするよう・・・)
6.いつ叩く(前のめり?ジャスト?レイドバック・・・タイト?ルーズ、重く、軽く、グルーヴィー・・・)
7.音量(大音量なのにうるさくノリが軽く聞こえる人、小音量なのに重くどっしり聞こえる人・・・バランス感覚が大事)
8.精神論、哲学、人生観、宗教観?そして1.に戻ってやり直し。

分類するとむつかしいね?、重複するものもたくさん。
「何種類か叩き分けられる」というより「無限」ですね。

一般的演奏論・その2(歌もの?)

イントロ=ライド、
Aメロ、Bメロ=ハイハット、
Cメロ=ハイハットハーフオープン、
ギターソロ=ライド、
サビ=ハイハット、
ストCメロ=ライドベル、
エンディング=チャイナ
こんなの「王道」で「ありきたり」です。しかし、いまどき何でもアリじゃないですか!
いろんな使い方上のほうに書いておいたし、
ライドだけで全部やり通してみたらどう?(ライド革命推進改革派)。

一般的演奏論・その3(ジャズっぽいもの?)

音楽中ほとんどシンバルの音が占めている。
テーマ=ハイハットで2ビート(2-feel swing)とか
ソロ=ライドで4ビート(straight ahead)とか
アフロ=ライドベル
が「常識的」で「つまんね?」ともいえるか。
(ジャズに常識などあるか???)

タップダンサーは靴の音だけで全部表現している(ライド不要廃止撲滅派)。
こうなってくるとドラマー廃業ですね・・・

使い方講座に全くなってないですね・・・
まとめようと思うからまとまらない・・・ずーと書いては消し書いては消し・・・

いろいろ試すほうが面白いということです。
道草は面白いからやめられないのです。
真面目なことに対しては、からかってみたくなるし、
ふざけたことにたいしても、真面目にからかってみたくなる。
もし万が一、煮詰まったら、「ただ音楽聴いているのが好き」のリスナーに戻って、
自分が演奏することは考えない時間をとること。
「この音楽はこうすべき」、「これをするとそういう音楽っぽくなる」という情報は、
ぱっと聞いた感じ「深イイ!」のだが、「没個性」「理屈主義」の一歩目とも言える。
言語と同じで、伝える人、伝えられた人、二人以上の人の存在ではじめて音楽と言えます。
あなたは何を伝えたい?
周りの人たちの協力が不可欠です。
共演者、観客、めんどくさいディレクター(あなたじゃない、そこのあなたでもない)、
えらそうなプロデューサー(特に私の周りにはいません)などの皆さんと協力協調してですね、
万が一うまくいかず苦情など言ってくる方がいれば「バンド内お客様相談窓口」を設置し、
説得するか謝罪するか無視するか謝罪しつつも決行するか・・・
もしくは、こちらのAプランBプランCプランの中からお選びいただくシステムでも良し。
とにかく仲良くやってくださいね。

あ、耳使って練習しないとだめですよ?

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